五木村のモデル林現地研修会で解析デモを実施しました
2025年3月6日(木)、熊本県五木村で開催されたモデル林現地研修会にてDeepForest社が講師として登壇し、ドローン飛行・林内調査・ソフトウェア解析デモを実施しました。五木村では、豊かな森林資源を活用したモデル林整備事業が進められており、森林教育や林業研修を目的としたモニターツアーが実施されています。今回の研修は、林業事業体を対象とし、ドローンを活用した森林施業の効率化をテーマに開催されました。当日は五木村周辺の自治体職員や林業事業体、森林組合等、約20名が参加しました。
午前の部
- ドローン飛行デモ:DF BIRDを用いた撮影データの解析
- 林内調査:DF Walkerを活用した森林調査の体験
午後の部
- 森林解析:DF Scannerによる解析デモ
- Jクレジットミニセミナー
ドローン飛行&解析
林内調査(DF Walker)
解析デモ(DF Scanner)
解析結果の紹介
今回の研修会では、五木村の上小鶴スギモデル林(約8ha)の解析を行いました*1。ドローンで撮影した画像を、DF BIRDとDF Scannerの全自動解析機能を使用することで、わずか数クリックのPC操作で、樹木本数・樹種・樹高・DBH(胸高直径)・幹材積・CO2固定量等の森林データを取得できます。
解析のスピード(約8haの人工林の場合)
- ドローン飛行:20~30分
- DF BIRDによる合成処理:2~3時間(全自動)
- DF Scannerによる森林解析:約1時間
準備や片付けを含めても、1日あれば余裕をもって解析作業を完了できることが実証されました。
解析の精度
解析結果の精度検証として、モデル林内の標準木20本のDBH実測値とDF Scannerの解析結果の比較を行いました。
- 全自動解析時:RMSE*3 3.36 cm、平均絶対値誤差 2.72 cm
- 現地式補正時*2:RMSE*3 2.95 cm、平均絶対値誤差 2.26 cm
この結果により、非常に高精度な解析が可能であることが実証されました。参加者からは、解析の手軽さや精度の高さに驚きの声が多く寄せられました。
*1 解析デモでは昨年11月に撮影したデータを使用。
*2 現地式補正には、昨年11月に計測したモデル林内のスギ50本(標準木20本は除く)のDBHデータを使用。
*3 RMSE(二乗平均平方根誤差):誤差の大きさを示す指標。数値が小さいほど精度が高いことを意味する。