導入事例:国立大学法人 宮崎大学 農学部 田野フィールド 様

▲ドローンを操作する村本様
宮崎大学農学部田野フィールドは、宮崎県内の3地区にまたがる計620haもの広大な森林です。
その特徴として、南九州ではほとんど残されていないヒノキの壮齢林や、まとまった面積の常緑広葉樹(照葉樹)二次林、天然性海岸風衝群落があり、国内での代表的な試験研究林として共同研究および全国からの利用実績があります。
演習林は宮崎大学の大学職員(直営)によって管理されており、DF Scannerを森林管理に役立てていただいています。
そこで今回は、田野フィールドでソフトをご活用いただいている宮崎大学の村本康治様にソフトの使用感等を教えていただきました。
―村本様の業務内容や研究内容について教えてください。
宮崎大学 村本
宮崎大学演習林(田野フィールド)で森林を対象とした教育・研究と、森林の管理をしています。
―DF Scannerをどのように活用されていますか?
解析結果や具体的な事例も見せていただけると幸いです。
宮崎大学 村本
ドローンを活用した森林蓄積の評価や、学生の卒業研究に利用しています。
DF Scannerは樹冠分離や樹高・DBHの推定、材積や炭素固定量を算出できる点が非常に有用だと感じています。
具体的な事例として、宮崎大学田野フィールドでの解析結果をお見せします。
▲可視化したレーザ点群データ

▲点群横断面と地面点群
▲オルソ画像

▲樹冠分離
▲樹種識別結果(黄色:スギ)
また、地上レーザの現地調査データを活用してDBHの推定精度を確認するなど、解析の信頼性向上に役立てています。
▲地上レーザで取得した立木位置データとDF Scanner樹冠との位置比較
▲スギの胸高直径の非線形回帰分析結果


▲小班全体の集計データ
―DF Scannerを知ったきっかけ、導入しようと思っていただいた決め手は何でしたか?
宮崎大学 村本
2023年に京都大学の上賀茂試験地で開催された「スターダスト計測マニュアル検討会」で紹介されたことです。
ドローンで取得したデータを森林管理や教育研究に活用する方法を検討する中で、簡便に、かつ高精度に森林評価を行うことができるDF Scannerの機能が有用だと思いました。
―ソフトウェアを導入する前と導入した後で変化・改善した点はありますか?
宮崎大学 村本
森林の蓄積を把握するためには、どうしても現地でのプロット調査や、手作業での計測をせざるを得ず、多くの時間と労力を費やしていました。
人力作業ではすべての森林の蓄積を評価することは現実的に困難でもありました。
ソフトウェアを導入することで、ドローンで取得したデータを解析するだけで林小班全体の蓄積量や炭素固定量が自動的に算出できるようになりました。
その結果森林調査に要する時間・労力を大幅に削減しつつ、すべての森林について個体ごとの樹高・DBH・材積を把握できるようになり、今後取り組む森林管理簿の構築がより具体的で現実的なものとなりました。
―ソフトの使い勝手についてはいかがですか?
宮崎大学 村本
実際に使ってみて、森林の蓄積評価が短時間でできる点が非常に便利だと感じています。
特に、樹高やDBHを自動で推定してくれることで現地調査の負担が減り、得られた結果をそのまま管理簿に反映できるのが大きな利点だと思います。
―最後に、ソフトウェアを使った今後の展望を教えてください。
宮崎大学 村本
今後は人工林の解析を進め、将来的には広葉樹も含めて解析を進めていきたいと考えています。
林小班ごとの蓄積や人工林の混交率を把握して、いずれは森林全体の評価をしたいと考えています。
また、学生の研究や教育にも活用し、森林管理や炭素吸収量の評価に役立てていきたいと考えています。
―地上レーザとの連携で精度を検証する等、ソフトウェアを応用し有効に活用していただきありがとうございます。今後も田野フィールドの管理にぜひ役立てていただきたいと思います。ご回答ありがとうございました!
▲開墾鍬を持つ村本様
