【海外事業】フィリピンにおけるマングローブ植林地での炭素蓄積量推定調査を実施

DeepForest Technologies株式会社は、フィリピン・バナコン島において、マングローブ植林地の炭素蓄積量の把握と、それに基づくカーボンクレジット創出に向けた実現性を評価するための調査を行いました(調査期間:2024年4月~2025年6月)。

【ドローン画像解析と現地調査データよる炭素蓄積量の推定プロセス】


本調査では、マングローブ林上空で撮影したドローン画像を用いて、対象地域(約253ha)の全域を撮影・解析しました。取得したドローン画像から植生の密度などに基づき、植林地を複数の林相に分類。各林相ごとに調査プロットを設置し、炭素蓄積量の推定に必要な樹高・直径・本数などのデータを収集しました。

マングローブ林のように樹木の密度や樹高にばらつきがあり、しかも若齢木が多い森林では、一般的な衛星画像(解像度10m)では詳細な植生の把握が極めて困難です(参照1)。とくに植林後数年以内の樹木は、周囲の環境と視覚的に識別できない場合が多く、面積や分布状況の過大・過少評価が起こりやすくなります。

参照1:マングローブ林における「衛星画像 vs ドローン画像」

これに対し、本調査で使用した高解像度のドローン画像では、森林境界や林相の分布状況を明確に可視化することに成功しました(参照2)。その結果、従来の方法では困難であった正確な植林地面積の特定に成功し、さらに各林相における現地調査データと組み合わせることで、炭素蓄積量の精度の高い推定が可能になりました。

参照2:ドローン画像と現地写真を用いたマングローブ林の特徴把握

【本調査の成果】

本調査を通じて、ドローンによる広域かつ高解像度の画像と現地での詳細なプロット調査を組み合わせることで、マングローブ林の炭素蓄積量を科学的かつ信頼性高く評価できることを実証しました。また、現地関係者へのドローン計測技術の移転も進め、将来的な継続モニタリング体制の構築にもつなげています。

今後も当社は、信頼性の高いカーボンクレジット創出や、環境保全・地域貢献につながる技術支援を続けてまいります。

海外での森林資源解析やカーボンクレジット関連事業にご関心をお持ちの企業様との連携にも、積極的に取り組んでおります。ご関心をお持ちの企業様は、ぜひお気軽にご連絡ください。